可愛い子には旅を言った君を宇宙に送り出したい

「可愛い子には旅をさせろ」誰かがそう行ったせいで、僕はひとり南の島で生活する事になった。食べ物も言葉も違うこの国で、悪戦苦闘の日々は続く。

 

今ではそのような標語を作った誰かを冥王星に送り込んで、旅の感想を、はてなブログに書いて欲しいとさえ思っている。

 

そんな事を思いながらも、実際はいいこともある。よく視野が広がると言われるが、それは真実であり少し違う。

 

君が大いに語っていた桃源郷はただの廃れた温泉街だった。君が楽しんだとされる夜の街は退屈なだけの地方都市だった。

所詮、語れることはその程度のもので真実は別の様相を示す。

そのことに気づいてから、僕の心の温度は2℃下がり、僕は大人になった。

君は私の滑稽だ

私は悪人かもしれない。とふと思う事はないだろうか?

 

私は自分に問いかける。

一千万円入ったカバンを拾ったら?

きっと警察に届けるだろう。

 

しかし2kgの金の延べ棒を拾ったら?

わからない。

いや、きっとドキドキしながら家に持ち帰るに違いない。

物が違うだけで、なぜか隠し通す自信が生まれ、さっきまで良心だと思っていたものが、罪を負うことを警戒しただけの感情だと気づく。

 

罪を問われなければ自分のものにしてしまいたい。

あの子も世界も誰のものでもなければ、自分の物にしたい。

 

いや、待てよ。本来は自分さえも自分のものではないのかもしれない。

だったら世界は誰のものでもないのだ。ただ権利を主張する人の都合があるだけだ。ここは私の島だと言う人がいるように。

あぁ、権利とはなんて滑稽なのだろうか。

 

滑稽だがしかし、なければ我々は果てしなく奪い奪われ挙げ句の果てには、命さえあっさりと消してしまう。

なんて愚かなのだろう。

 

私は愚かにも私のものだと主張したい、そんな何かが欲しいのである。

都会に揺れる藻

今日は街行く人が藻のように感じる。

 

騒がしい藻、疲れた藻が地面をゆっくり移動する。

お酒を飲んで駅でゆらゆら揺れる藻は心地好さそうだ。

 

もうすぐ午後11時、藻もやがて家に移動し眠りにつく。

 

街は静かで平和な海底のように、穏やかな空気に包まれる。

世界は髪の毛を中心に回っている

 先日、道行く女子高生の「最近あの人、頭薄くない?」という会話にドキッとしたばかりだが、

今日は電車でおばさんたちの「あの人髪濃いよね」という会話聞いた。

これを書いている最中もカップルが髪を染める話をしている。

 

まるで世界が髪の毛に取り憑かれ

髪の毛を中心に回っているような錯覚に襲われ目眩がする中、

ひとり焼き肉を焼いている。

 

みんな髪の毛に過敏だ。毛髪過敏症と言ってもいい。

「髪は女の命」と誰かが言っていたし、考えてみるとイスラム教の女性も髪を隠す。

僧侶は頭を丸め、 武士はチョンマゲをゆえる。

 

そう、髪の毛は象徴なのだ

性や年齢、思想までが髪の毛の力を利用している。

偉大なる毛髪、人類を分かつ存在。

私という小さな存在が飲み込まれるのも時間の問題だろう。

 

さて、肉が焼けた。