外国から帰って感じたのは日本社会の不寛容さだった

しばらくインドネシアでの生活が続いて、つかの間の日本滞在。 変化しているものと、していないもののギャップ。 社会の中心になっている年齢層が全く違っているからなのか、雰囲気の違いに気持ちが若干迷子になっている。 「日本は成熟した社会システムがあ…

近所のおばちゃんの思い出

その日私はいつものレストランでお粥を食べ考えにふけっていた。 日本にいた時、なんとなくプライベートで人と会う事を避けていた。 しかしインドネシアにいる今、言葉もろくに話せないのに新しい人によく会う。 なぜだろう? お腹を壊しお粥ばかり食べてい…

【サボテン物語】4. それでも新世界は愛(かな)しいか

自分の世界を取り戻し始めた彼だったが、その世界には以前と同じような輝きがあったわけではなかった。明らかにサボテンと彼の間には以前より距離があった。 その距離とは、彼が経験した世の中への失望そのものだったが、それを埋める事を彼はしなかった。 …

【サボテン物語】3. 生きろ

「生きなければ、でもどうやって..?」彼はいつもその事を考えるようになった。 積み重なる日々は彼に何も与えてくれなかった。いや正確には、彼が自分が欲しい物を否定していたのだった。 書店に足を運び、「希望が開ける本」や「あなたは大丈夫」的な類の…

【サボテン物語】2. 愛した物から遠ざかる日々

サボテンを育てるのをやめ、すっかり暗くなった彼から周囲の女性は離れていった。 いつも冗談を言い合っていた男友達さえ彼は避けるようになり一人でいる時間が増えた。 声をかける人もしだいに減り、新しく知り合った人は彼を少し暗い無口な人だと思った。 …

【サボテン物語】1. サボテン好きのイケメンは、いつか悲しみに暮れるだろうか

そのイケメンはとても人気で女性からのアプローチも絶えない為、自分は素晴らしい人間だと思っていたのだ。 趣味はサボテンの栽培で、毎日緑を眺めてはニコニコとしていた。 そのイケメンは自分に好意を寄せる人たちは皆、自分が好きなものを好いてくれると…

時間は積み重ね無くとも積もって行く

一昨日くらいから、うだうだっと考えているテーマ。 日々の積み重ねって言葉を聞いて、毎日こつこつポジティブな何かを積み重ねる意味だと考えていたけど、この事は当然悪い事にも当てはまるわけで。 もっと言うと、結局、良かろうが悪かろうが何かは積み重…

たった数日の孤独に心は曇ってしまうのだ

今いる場所が突然雲に覆われてしまったような気持ちになる。たった数日の孤独に心は曇ってしまう。 ここが外国だからなのか、たったいま振り出しに戻ってしまったような虚しさを感じる事がある。 日本で言う信頼などと呼べるものはほとんど存在しない。 そし…

外国でお互いの為に時間を使う事について

インドネシアは親日国なのでいろんな人に親切にされたりしている。 それはとてもありがたくて、観光地でもないこの場所でよりよく生きるには必要な事だ。 しかしもともと社交的とは言えない性格もあって、普段の関わり合いを面倒に感じたり、新しい関係を築…

ハロー、錬金術師

今日はインドネシアの独立記念日という事で仕事はお休み。 アパートで本などを読んでいる。読んでいるのはパウロ・コエーリョの「アルケミスト 夢を旅した少年」、BGMはAcidmanのアルケミスト。 スペインからエジプトへ宝物を求めて旅をする羊飼いの少年のお…

美しい詩の音楽を聴いて少し虚しくなる夜

世の中にはとても美しい歌詞の音楽があったりする。 そういうのが大好物で聴いていると、時々人生に取り残されたような虚しい気持ちに気付いたりする。 自分はそのような美しさを作ることが出来ない虚しさというか。 何かを生み出す事をやめてしまった悔いと…

インドネシアのタバコに身体がついていけない話

インドネシアはタバコ大国だったりします。ガラムとかサンポエルナなどは外国でも有名な銘柄。 フィルターが甘くて吸っているうちに癖になってしまったんだけど、いかんせんタールやニコチンが強い、すぐに喉が痛くなって肺がゼーゼー言いだしてしまうのです…

ホテルでアヒルの話をしてたんだ

友達と二人、ホテルリゾートの自然豊かな庭を歩いていたんだ。そしたらアヒルが二匹、池のそばの日陰でじっとしてた。 友達はそれを見て、彼らは泳げないと言い張ってたんだけど、次の瞬間、池をスイスイ泳いでたよね。 それを見て友達はおかしいと言い張る…

インドネシアでは日本食が高いのです

そう、高いのです。 フリーのお茶とか水はないから食事に行くと飲み物も合わせて注文することになる。例えば定食が95ribで飲み物が20rib、さらに揚げ出し豆腐25ribとかを頼むと140rib、消費税10%で合計154ribになる。これを円にすると約1300円になる。 普通…

サテ(焼き鳥)を食べ袋に入ったお茶を飲んでいる

インドネシアで焼き鳥はサテと呼ばれていて、一般的にローカルなレストランのメニューにあります。 夜に小腹が空いたらGojek(バイク便)を利用して出前を頼みます。サテ10本とお茶で300円くらい、配達料が85円くらいなので、手軽に頼むにはちょうど良いメニ…

インドネシアのトイレの便器はいつも濡れていた

これ、ずっと不思議だったこと。 いつも便器が濡れていて、掃除で水を撒くのかと思っていたんだけど、違った。 あれなのだ、水と左手でお尻を洗う文化なのだ。どうりでティッシュがないトイレがあるはずだ。数ヶ月も滞在してずっと調べてなかったトイレ事情。…

君は、問題を告げるだけの述べた君になっていないか?

問題を表面化させて意見を述べる、述べた君。 述べた君は政治の世界や、一般の会社にも沢山いると思うのだが、 わたしはアートの世界に述べた君は参加して欲しくないと思うのです。 いや、すべての述べた君は建設的なステップを計画、実行できるような改革派…

この星の意思

たったひとり、自分だけが存在する小さな世界で今日もコンテンポラリーダンスを踊り続けているような、そのような命が燃え続けていて。 誰に阻害されるわけでもなく、目に映る物の干渉も受けず、 ただ踊り続けている何かがある。 ここにあるそれが踊るのをや…

上司は返信の早さが大切な理由

このブログでは珍しいトピック。 仕事でのレスポンスの話です。 メールに限らず、会議でもチャットでも同じだけど 返事の内容が明確ではない、または遅い上司はそれだけで問題という事実について書いてみたいと思います。 理由は全く単純で、部下の仕事の流…

儚くとも個として生きるもの

もし明日死ぬとしたら、 好きな人と二人きり、遺跡のある広場ではしゃぎまわりたい。 思い出を語り、いよいよ最後の時にはお互い笑顔でお礼を言ってお別れをしたい。 プライドやあらゆる束縛に囚われなかった心を誇り、 ただ生命としての真っ直ぐさを忘れな…

インドネシアでランドリー娘にケーキを差し入れた話

インドネシア滞在中、いつも通う洗濯屋での話。 その店は、街の中心地から少し外れた場所にある乾燥機付きのお店。 平均で二、三日かかるインドネシアの洗濯サービスも、ここなら2時間程度で仕上がる。 そして娘たちが綺麗に畳んでくれる。 先日、二ヶ月ぶり…

欲望に身を委ねるな(アシタカ風)

日本人がアジアをはじめとする途上国に行くといろんな誘惑があるって話で、 衣食住に始まり、女性や投資、時には詐欺やボッタクリまで様々なメニューが用意されている。 フルコースがあるやで。 まあ、楽しく過ごしているうちはいいかもしれないけど、女性に…

インドネシアの人は日本と比べ20歳若い

そ、インドネシアのお話。 国民の平均年齢が日本より20歳も若く、29歳とされている。 20歳違うとね、街は若い子だらけだしなんか日本より雰囲気が緩い。 そう、緩いんです。 まあいいじゃん的な空気が流れている。 東京はなんだか綺麗に管理されたエスカレー…

赤道付近で愛を叫ぶ

インドネシアに到着して4日目、昨日から断食月が始まった。 ラマダーンってやつで太陽が出ている間は飲食が禁止されるほか、一ヶ月間は禁欲生活らしい。 街の様子はというと、ショッピングモールに人が少ない、飲食店がブラインドを下ろして営業している、な…

ボッタクリにポイズン

いやはや悔しい。悔しきかな.. インドネシアに入国早々、タクシーにぼったくられたぜ。 スカルノハッタ国際空港でね、いつもはターミナル移動に無料のシャトルバスを使うんだけど、今回は時間がなくて急いでタクシーを使ったんだよね。5分くらいの移動に。 …

命の見積もり

人間は無意識に自分の人生を見積もって、若いから希望があるやら、老い先短いやらで階級をつけたがるやな。 しかし結局は誰でも歳はとるし、人生の展開が変化する希望も薄れてくるよな。 若いから〇〇と言えなくなるってことや。 そして、結局自分って何やろ…

電車娘は待っている

ある日突然、話したことはなかったが顔を知っている女性に声をかけられた、そんな経験はないだろうか? 私はない .... いや、ある。中学生の頃に…何度か ٩( 'ω' )و「何年前だよ、おっさんボケるな」 違うのだ、書こうと思ったことはそんな昔の話ではない。 …

鞄には夢が詰まっている

(*'▽'*)「シダ類がまた浪費したらしいよ」 ٩( 'ω' )و「えっ、今度は何買ったの?またiPadのカバー?」 (*'▽'*)「鞄だって、サムソナイト:Samso niteだって」 ٩( 'ω' )و「鞄て、一ヶ月前に皮製が欲しくなって買ってなかったけっけ?」 (*'▽'*)「買ってた、使…

無垢で危険な承認欲求

命は本来、欲求に対して真っ直ぐ伸びるものである。と、アパートの前に生え放題の雑草を見て思ったが、自分の髪の生え際を考えた瞬間、そうでもないかもしれないと疑念がよぎった。 幸い私は育毛教ではないので、生え際はどうでも良い。 しかし、問題はこの…

イヤホンの中の秘密の世界

「僕たちの失敗」 遠い昔、このようなタイトルの曲があったのをご存知だろうか。 私は年に数回、この曲を思い出し「弱虫だったんだよね」を心の中で呟く。 今日はその日である。 私の場合、何が弱虫だったのかは定かではないが、なんとなく過去に酔いしれる…